意外と知らないインプラントの歴史

こんにちは!せきれい歯科クリニックの院長 太田です。

 

今回は、インプラントの歴史についてお話しします。

インプラントとは、何らかの原因で歯を失った場合に歯を補うための治療方法の一つです。歯を失った箇所の顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上から人工歯を被せます。「インプラント」についてはあまり知らなくても単語は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。インプラントと聞くと新しい治療のイメージですが、実はその起源は意外にも古いのです。

 

〇インプラントのはじまり

インプラントのはじまりは、遠く紀元前にまで遡ります。インカ文明やエジプト文明で、サファイア製の歯根が発見されたことが根拠となっており、その頃から人々は失った歯を補う治療をしようとしていたことが分かります。それと同時に、どのような素材を歯の代わりにするか、ということも試行錯誤が繰り返されてきたようです。当時はエメラルドやサファイアといった硬度の高い宝石や動物の骨や歯、人間の歯などがインプラントとして使われてきました。現代のような金属製のインプラントが使用されるようになったのは、紀元2~3世紀ごろと言われています。はじめのうちは鉄製のインプラントが用いられていましたが、その後はコバルトやクロム合金、プラチナ、金などの金属が使われるようになりました。とはいえ、骨と結合しないなどの課題があったことから、インプラントの素材選びは難航していたようです。

 

 

〇インプラントに最適な素材の発見

現代におけるインプラントの素材には主にチタンが用いられていますが、それはチタンが骨と直接結合するという特殊な性質をもつからです。骨と結合するということは、インプラントにおいて最も重要であるともいえる「安定性」に優れていることを表しています。この特性が発見されたのは1952年のことで、スウェーデンのブローネマルク氏が骨の治癒する過程を研究していた中で偶然発見されました。この発見は「オッセインテグレーション」と呼ばれ、チタンが生体親和性の高い安全な素材であるということが証明されたということです。ブローネマルク氏はこの発見を歯科治療に応用させ、1965年にはじめて歯科の臨床でチタン製のインプラントが使用される運びとなりました。

 

 

〇日本におけるインプラント治療の歴史

日本におけるインプラント治療が始まったのは、1978年ごろのことです。とはいえ、当時はまだチタン製のものではなく人工サファイア製のインプラントが使用されていたため、治療の経過が思わしくなくインプラント治療のイメージがあまり良くないものとなった時期もあったようです。ブローネマルク氏によるチタン製のインプラントが普及するようになったのは1983年頃で、多くの歯科医師の尽力により現在のように高い治療成功率を誇るものに成長しました。現在もインプラント治療は日々進化を続けており、より安全で優れたインプラントが開発されています。

 

 

〇まとめ

このように、インプラントは長い歴史を経て現在のような信頼できる治療に進化を遂げました。高い審美性、機能性、耐久性を持つインプラントに至るまでには、先人たちの数えきれないほどの試行錯誤があったのです。

 

当院では、日本口腔外科学会の認定医がインプラントの治療を担当いたします。患者様お一人おひとりに合わせた最適な治療をご提案いたしますので、ぜひ当院へお越しください。

 

 

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