血液を用いた再生治療

こんにちは!せきれい歯科クリニックの院長 太田です。

今回は、重度の歯周病に対する血液を用いた再生治療についてお話しします。
歯周病とは、歯と歯の隙間や歯周ポケット内に多く生息する細菌によって引き起こされる炎症性疾患です。進行状況により軽度、中等度、重度に分類されていますが、重度にまで進行すると歯ぐきや歯を支えている歯槽骨が失われてしまいます。失われた歯周組織の回復を促す手術は「歯周組織再生療法」といわれています。

〇歯周組織を再生する必要性
歯周病が重度にまで進行すると、歯周ポケットが6mm以上の深さになり、歯槽骨(歯を支えている骨)の3分の2以上が破壊されてしまいます。そうなると、歯がぐらぐらして噛み合わせを維持することができなくなるため、失われた骨をはじめとする周辺組織を再生することで歯の安定を図る必要性があります。患者様ご自身の血液を用いて歯周組織を再生させる治療方法には主に2種類あり、「PRP再生療法」と「CGF再生療法」があります。これらの治療は通常の歯周病治療よりもさらに高度な知識や技術を必要とするものであるため、厚生労働省が定める基準を満たす医療機関でのみ行うことが出来る治療方法です。これらの再生治療は健康保険の適用外となり、自費診療となります。

〇PRP再生療法とは
「PRP」とは、「Platelet Rich Plasma」の略で、多血小板血漿(血液中の血漿を凝縮した血漿)のことをさします。この治療方法では、患者様から採取した血液の中から、骨や歯ぐきの再生を促す成長因子を抽出したものを使用します。PRPには組織を再生する作用があるため、失われた骨の回復を促す治療を安全に行うことができます。インプラントを埋め込む際に骨が不足しているとき、さらに歯科にとどまらず美容外科の分野でも行われることがあります。PRPは次に挙げるような6つの作用をもちます。

・細胞増殖の促進

・血管の新生

・コラーゲン生成の促進

・傷の治癒の促進

・止血

・白血球による抗菌作用

〇CGF再生療法
「CGF」とは、「Concentrated Growth Factors」の略で、患者様の血液を遠心分離してフィブリンを集めてゲル状にしたもののことをさします。フィブリンとは血液の凝固に関わるたんぱく質で、組織の再生に必要な成長因子を多く含んでいます。治療の流れは以下の通りです。

血液を20~40cc(健康診断と同程度の量)程度採取する。
採取した血液を専用の遠心分離機にかけ、フィブリンを抽出する。
必要に応じて、ゲル状にしたフィブリンに骨補填材を混ぜる
組織の再生を促したい箇所にCGFを注入する

 

 

〇血液を用いた再生療法が安全な理由
PRPやCGFを用いた再生療法で用いる血液は患者様ご自身のものなので、添加物を一切含まず、アレルギーや感染のリスクもほとんどありません。副作用もほとんど報告されていませんが、採決を行う際に一時的に腕に内出血が起きたり、手のしびれを感じることがあります。これらは時間の経過とともに自然に改善するため、ご安心ください。

〇まとめ
このように、患者様ご自身の血液を用いる再生治療は近年広く用いられています。すべての症例に対応できるとは限らないため、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

当院では、経験豊富な歯科医師が患者様の全身の健康を考えてお一人おひとりに合わせた歯周病治療に努めております。生活習慣の改善や歯磨きの仕方についてのアドバイスも行っておりますので、歯周病の予防と治療は当院にお任せください。

 

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