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インプラント治療のデメリットとリスクを徹底解説

インプラントは、むし歯や歯周病などで失った歯の代わりに、顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。顎の骨に埋め込まれたインプラント体は骨と結合し、新しい歯を支える土台となります。天然歯に近い安定性と噛む力を再現でき、見た目も自然なのが大きなメリットですが、一方で費用外科手術治療期間など様々なデメリット・リスクも存在します。インプラント治療を検討する際には、これらのデメリットを正しく理解し、対策や注意点を押さえておくことが重要です。本記事では、インプラント治療の代表的なデメリット・リスクと、その対策について、一般の方にもわかりやすく丁寧に解説します。
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インプラント治療の主なデメリット・リスク

1. 費用が高額である

インプラント治療は公的医療保険が適用されない自由診療のため、治療費が比較的高額になります。1本あたりの費用相場は約30万~60万円程度が一般的で、使用するインプラントの種類や本数、上部構造(かぶせ物)の素材によっても費用は変動します。さらに、顎の骨が足りない場合に行う骨造成(GBR法)やサイナスリフト(上顎洞底挙上術)などの追加手術が必要になると、費用は一段とかさみます。複数本のインプラントや全顎的な治療では総額が100万円以上になるケースも珍しくありません。

対策・注意点: 治療開始前に費用の見積もりをしっかり出してもらい、支払い方法(分割払いや医療ローン等)が利用できるか相談しましょう。長期的に見たメンテナンス費用(定期検診や将来の部品交換費用)も含めて計画を立てておくことが大切です。また、費用面が不安な場合は、他の治療法(ブリッジや入れ歯)との費用差やメリットも踏まえて主治医と検討すると安心です。

2. 外科手術が必要(手術に伴うリスク)

インプラント治療では顎の骨にインプラント体を埋め込む外科手術が避けられません。手術は通常、局所麻酔下で安全に行われますが、術後に腫れや痛みが出ることがあります。また、ごくまれに神経損傷(下歯槽神経の麻痺)や大量出血などのリスクも報告されています。上顎では埋入の深さによって上顎洞を傷つけるリスクもあり、下顎でも神経への距離が近い場合は注意が必要です。さらに、重篤な全身疾患をお持ちの方(糖尿病骨粗しょう症など)では感染症や傷の治りの遅れといった合併症リスクが高くなるため、より慎重な対応が求められます。

対策・注意点: 手術に伴うリスクを減らすためには、事前の精密検査と綿密な治療計画が不可欠です。例えば、術前に歯科用CT撮影を行って顎の骨の形態や神経・血管の位置を詳細に把握し、コンピュータ上でシミュレーションやサージカルガイドを用いた正確な埋入計画を立てることで、神経損傷などのリスクを最小限に抑えることができます。また、日本口腔外科学会認定医などインプラント手術の経験が豊富な歯科医師を選ぶことも重要です。経験豊かな術者であれば、難しいケースでも的確な判断で安全に処置を行える可能性が高まります。加えて、手術は必ず滅菌環境の整った専用オペ室で行い、清潔な器具を用いることで感染リスクを下げられます。全身疾患がある方は、事前に主治医(内科など)と連携を取っておき、血糖値のコントロールや骨粗鬆症の治療状況を確認することも大切です。術後は歯科医師の指示に従い、処方された抗生剤の内服や安静などアフターケアを怠らないようにしましょう。
https://medicaldoc.jp/d/recommend-d/anjo-ct-implant/2/#:~:text=

3. 治療期間が長い

インプラント治療は完了までに長い時間を要することもデメリットの一つです。ケースにもよりますが、治療期間の目安はおよそ3か月~1年程度とされ、ブリッジや入れ歯に比べると圧倒的に長期になります。これは、インプラント体を埋入した後に骨としっかり結合(オッセオインテグレーション)するまで時間がかかるためであり、一次手術(インプラント埋入)後に数か月の治癒期間が必要となるからです。この治癒期間を十分に取らないと、インプラントが安定せず失敗するリスクが高まります。また、骨造成など追加処置を行った場合は、さらに数か月の経過観察が必要です。一般的な流れとして、カウンセリング・検査から始まり、一次手術後に数か月の安静期間、その後二次手術(アバットメント装着)や型取り、最終的な人工歯(上部構造)の装着というステップを踏むため、トータルで半年以上かかることも珍しくありません。

対策・注意点: 治療期間が長いことを理解し、計画的に治療に臨むことが重要です。例えば、「結婚式までに歯を治したい」「転勤までに終えたい」など希望がある場合は事前に歯科医師に伝え、スケジュールを調整してもらいましょう。ただし、骨とインプラントの結合期間を無理に短縮することはできないため、安全面を優先した治療計画を立てる必要があります。最近では、条件が整えば抜歯と同時にインプラントを埋め込む抜歯即時埋入や、埋入直後に仮歯を装着する即時負荷といった方法もありますが、誰にでも適用できるわけではありません。主治医とよく相談し、自分のケースで可能かどうか確認してください。また、治療期間中もしっかり仮歯や仮の入れ歯で見た目や咀嚼の問題に対応してもらえますので、不安な点は遠慮せず相談すると良いでしょう。

4. 顎の骨の状態による制限

インプラントを埋め込むには十分な骨の厚み・高さが必要ですが、歯を失って長時間経過しているケースや重度の歯周病があった部分では、顎の骨が痩せて不足していることがあります。顎骨が薄かったり骨量が足りなかったりすると、そのままではインプラントを固定できず、インプラント治療が難しい症例となります。特に上顎奥歯部では骨の高さが不足しやすく、下顎では骨の幅が不足することがあります。

対策・注意点: 骨が不足している場合でも治療をあきらめる必要はありません。現在では、骨が少ない部分に対して骨を増やす骨造成術(GBR法やサイナスリフトなど)を併用することでインプラントが可能になるケースが増えています。ただし、これらの骨造成は高度な技術を要し、手術回数や治療期間・費用も追加でかかるため、対応できる歯科医師かどうか事前に確認が必要です。骨造成を行ってもなお骨の確保が難しい場合は、ショートインプラント(短いインプラント体)やチルト置換(角度を工夫した埋入)、ザイゴマインプラント(頬骨に固定する特殊な方法)など、骨の少ないケース向けの特別な手法が検討されることもあります。これらは高度専門医療に分類されるため、対応可能な専門クリニックへの紹介となることもあります。いずれにせよ、「骨が足りないからインプラントは無理」と言われた場合でも、口腔外科の専門医がいる歯科医院であれば解決策が見つかる可能性があります。インプラントを強く希望する場合は、骨造成を含めた治療経験が豊富な歯科医にセカンドオピニオンを求めるのも良いでしょう。

5. インプラントの失敗リスク(成功率と合併症)

インプラント治療は非常に成功率の高い治療法であり、適切な条件下では5年生存率が約95%程度とも報告されています。しかし、どんな治療にも絶対はなく、インプラントも100%成功が保証されるわけではありません。ごく一部ではありますが、インプラントが骨と結合しないまま抜け落ちてしまうケースや、一度安定したインプラントが数年後に緩んだり脱落したりするケースがあります。特に、喫煙習慣のある方や重度の歯周病リスクがある方、糖尿病で血糖コントロールが不良な方などは、インプラントの成功率が低下し失敗リスクが高まることが知られています。

対策・注意点: インプラントの成功率を高め、長持ちさせるためにはリスク因子の管理が重要です。まず、喫煙者の方は禁煙を強く検討してください。喫煙は歯ぐきの血流を悪化させて骨とインプラントの結合を妨げ、さらにインプラント周囲炎のリスクも高めます。術前・術後の禁煙を守ることで成功率が向上します。糖尿病の方は、治療前に主治医と連携を取り血糖値のコントロールを十分に行いましょう。全身状態が安定していれば、糖尿病や骨粗鬆症があってもインプラント治療は可能ですが、主治医からの了承と追加の感染予防策が必要です。また、術後の咬み合わせチェックも怠らないようにします。噛み合わせが不均衡だと、一部のインプラントに過度な力がかかり緩みや破損の原因になります。定期検診時に噛み合わせを調整してもらうことでトラブルを未然に防げます。総じて、経験豊富な歯科医院でしっかりと術前評価を行い、自身の健康状態を整えて治療に臨めば、インプラントが失敗するリスクは極めて低く抑えることができます。
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6. 感染・インプラント周囲炎のリスク

手術直後の感染症リスクに加え、インプラント治療特有の長期的リスクとしてインプラント周囲炎があります。インプラント周囲炎とは、インプラントの周りの歯肉や骨に生じる炎症で、歯周病に類似した感染症です。原因の多くはプラーク(歯垢)の蓄積で、ブラッシング不足や定期的なメンテナンスを怠ると細菌が増殖し、歯ぐきの腫れ・出血、骨の吸収(溶けること)を引き起こします。インプラント周囲の骨が失われるとインプラントが支えを失い、最悪の場合インプラントが脱落してしまいます。一度進行したインプラント周囲炎の治療は難しく、インプラントを維持できないケースもあるため、予防が何より重要な課題です。

対策・注意点: インプラント周囲炎を防ぐため、天然歯以上に徹底した口腔ケアが求められます。具体的には、正しい歯磨きに加えてデンタルフロス歯間ブラシを使い、インプラント周囲の細かい汚れまでしっかり除去する習慣をつけましょう。インプラントそのものは虫歯になりませんが、周囲の歯ぐきは生身ですので油断は禁物です。さらに、3~6か月に1回は歯科医院で定期検診とプロフェッショナルクリーニングを受けることが推奨されます。専門的な器具を用いたクリーニング(PMTC)でインプラント周囲の歯垢・歯石を除去し、あわせて歯ぐきの状態や噛み合わせ、ゆるみがないか等をチェックしてもらうことで、問題の早期発見と予防につながります。万一、インプラント周囲に炎症の兆候(腫れ・出血・痛み、膿が出る等)を感じたら、早めに受診して対処してもらいましょう。初期の軽度なものであれば洗浄や薬で治せる場合もありますが、放置すると取り返しがつかなくなる恐れがあります。

7. 術後のメンテナンスが欠かせない

インプラント治療は入れたら終わりではなく、その後のメンテナンス(アフターケア)が生涯必要になる点もデメリットと言えます。せっかく高額をかけてインプラントを入れても、アフターケアを怠れば上記のインプラント周囲炎などを起こし台無しになってしまう可能性があります。天然歯と違い、インプラントには歯根膜がないため力の感覚が鈍く、噛み合わせの異常や過負荷に気づきにくいこともあり、歯科医師のチェックが欠かせません。また、上部構造のセラミック歯も経年劣化します。一般に10~15年程度での交換が推奨される場合があり、長期間使っているとネジの緩みや人工歯のチップ破折(かけ)などが生じることもあります。そのため、一度インプラント治療を受けたら、その後も継続的に歯科医院での管理を受け続ける必要があります。

対策・注意点: インプラントを長持ちさせるため、日々のセルフケア定期メンテナンスをワンセットで考えましょう。自宅でのブラッシングやフロスは当然として、上部構造のネジ締め直しや噛み合わせ調整、プロによる清掃を目的に最低半年に一度は定期検診を受ける習慣をつけてください。インプラント専門の歯科医院では、治療後に保証制度メンテナンスプログラムを設けている場合もあります。そうしたフォロー体制が整っている医院を選ぶと、万一トラブルが起きても安心です。術後に何か気になる症状が現れた場合は、定期日でなくとも早めに受診してチェックしてもらいましょう。

他の治療法(ブリッジ・入れ歯)と比較したインプラントの相対的デメリット

失った歯を補う治療法はインプラントだけではありません。ブリッジ(橋渡しのかぶせ物)や入れ歯も一般的な選択肢であり、それぞれ利点と欠点があります。インプラントのデメリットを正しく理解するためには、他の治療法との比較で相対的に捉えることも有用です。

  • ブリッジ: ブリッジは両隣の歯を削って土台にし、その上にダミーの歯を架け渡す方法です。治療期間が短く(数週間程度で完了)費用もインプラントより抑えられることが多いというメリットがあります。一方で、健康な隣接歯を削る必要があるためそれらの歯に負担がかかり、将来的に虫歯や歯周病リスクが高まる可能性があります。また支えとなる歯に過重な力がかかると、ブリッジ全体が外れたり土台の歯が折れたりすることもあり、寿命はおおむね7~10年程度とされています。つまり、ブリッジは初期費用こそ安価ですが、支えの歯を犠牲にするという相対的デメリットがあります。

  • 入れ歯: 入れ歯(義歯)は取り外し可能な装置で、保険適用も可能なため最も経済的な治療法です。多数の歯を一度に失った場合でも適用できる柔軟さがあります。しかし、入れ歯は歯ぐきや粘膜の上に乗せるだけなので噛む力が弱く、硬い物が十分噛めない、食べかすが挟まる、といった不便さがあります。さらに、顎の骨に力が加わらないため長期間の使用で顎骨が痩せていき、合わなくなるたびに作り直しや調整が必要です。総入れ歯の場合、見た目や発音への影響もあり、慣れるまでは違和感を覚える方も少なくありません。「入れ歯が合わず痛い」「食事が美味しく感じられない」といった悩みを抱えるケースもあります。つまり、入れ歯の相対的デメリットは、手軽に作れる反面機能性や快適性で劣る点にあります。

  • インプラント: 周囲の歯に一切負担をかけず自立して欠損部位を補える点がインプラント最大の利点で、機能性・審美性も天然歯に近く優れています。さらに適切なケアをすれば長期間安定しやすく、顎の骨も維持できるため将来的な口腔状態の悪化を防ぎやすい治療法です。しかし本記事で述べてきた通り、外科手術が必要で治療期間が長く、初期費用も高額になるなどのデメリットがあります。要するに、**「お金と時間をかけてでも歯の機能を取り戻し快適に過ごしたい」というニーズにはインプラントが適していますが、「なるべく簡便で費用を抑えたい」**場合には入れ歯やブリッジの方が適する、といった住み分けになります。

このように、それぞれの治療法に一長一短があり、患者さんの価値観や口腔内の状態によって最適解は異なります。インプラントのデメリットも、ブリッジや入れ歯のデメリットと相対的に比較することで見えてくる部分があります。大切なのは、メリット・デメリットを総合的に理解した上で、自分に合った治療を選択することです。迷ったときは、信頼できる歯科医師に相談し、インフォームド・コンセント(十分な説明と納得)を経て決めるようにしましょう。

当院でのリスク軽減への取り組み(愛知県安城市・せきれい歯科クリニックの場合)

インプラントの様々なリスクを知ると、不安に感じる方も多いでしょう。しかし、歯科医院選びによってはこれらのリスクを大きく軽減することが可能です。愛知県安城市にあるせきれい歯科クリニックでも、患者様に安心してインプラント治療を受けていただけるよう万全の体制を整えています。当院における具体的な取り組みの一例をご紹介します。

  • 口腔外科専門医による高度な治療: 当院院長は日本口腔外科学会の認定医資格を持ち、インプラントを含む口腔外科手術のエキスパートです。これまでにインプラント治療を200本以上行った実績があり、その豊富な経験と確かな技術により精度の高い手術を提供しています。難易度の高い症例(例えば骨の量が不足しているケース)でも、事前に顎の骨や歯ぐきを修復することで対応可能です。他院で「インプラントはできない」と断られた方にも、あきらめずぜひ一度ご相談ください。
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  • 最新設備による安全なインプラント治療: 患者様に安心してインプラント治療を受けていただける環境づくりに注力しています。院内にはインプラント専用の個室診療室を設け、手術はクリーンな専用オペ室で実施します。治療前には必ず歯科用CTによる精密検査を行い、立体的に骨の状態や神経の位置まで把握した上で正確な診断・治療計画を立案しています。これにより、安全かつ確実なインプラント埋入が可能となり、神経損傷などのリスクを大幅に低減しています。さらに、当院では世界シェアNo.1のストローマン社ITIインプラントシステムを採用しており、骨の少ない部位でも対応できる高い信頼性のインプラント体を使用しています。品質の良いインプラント器材と充実した設備によって、長期的に見ても安心できる治療結果を目指しています。

  • 徹底した衛生管理と無痛措置: 外科処置である以上、衛生管理には細心の注意を払っています。器具の滅菌は当然ながら、オペ室は清潔な空調環境で維持し、ディスポーザブル(使い捨て)製品も適宜使用して感染予防に努めています。また、手術中の痛みに配慮した麻酔処置を行っており、必要に応じて静脈内鎮静法(専門の麻酔科医による静脈麻酔)を取り入れてリラックスした状態で治療を受けていただくことも可能です。恐怖心や不安の強い方でも、できるだけ負担なく手術を乗り越えられるよう体制を整えています。
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  • 丁寧な事前説明と患者様本位の治療計画: 当院ではインプラントを無理におすすめすることはありません。カウンセリングの際に患者様の悩みやご希望をしっかり伺い、他の治療法が適している場合はそちらも含めて提案いたします。インプラントのメリットだけでなくデメリットやリスクもしっかり説明し、十分にご理解・ご納得いただいた上で治療を開始します。治療期間や費用、見た目の希望など一人ひとり条件が異なりますので、オーダーメイドの治療計画を立てて進めています。「説明が難しくてよく分からないまま手術になってしまった」ということがないよう、専門用語もできるだけかみ砕いて説明するよう心がけています。

  • 充実のアフターケア・メンテナンス: インプラント治療後は、定期的なメンテナンスと歯周病予防プログラムへのご参加をお願いしています。当院では、担当の歯科衛生士が専用の清掃指導を行い、ご自宅でのケア方法を習得していただきます。また、術後の定期検診では噛み合わせのチェックやX線撮影による骨の状態確認を実施し、問題がなければ年1回程度のペースで長期的にフォローします。万一トラブルが起きた際も迅速に対応できるよう、保証制度も整備されています(詳細はカウンセリング時にご説明しています)。このように、治療後も患者様と二人三脚でインプラントを守っていく体制を築いております。

以上のように、せきれい歯科クリニックではインプラント治療に伴う様々なリスクを可能な限り低減し、安全・安心で長持ちする治療を提供できるよう努めています。インプラント治療をご検討中の方は、不安や疑問をぜひ私たちにご相談ください。丁寧な説明と適切な提案で、患者様にとって最善の治療法を一緒に考えてまいります。あなたの大切な歯の機能と笑顔を取り戻すお手伝いを、当院が全力でサポートいたします。どうぞ安心してお任せください。


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